生田流正派 箏・三絃 小田原雅楽幸(うたゆき) 教室
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三絃のこと

生田流箏曲 雅楽幸会small logo 花
このページは初心者が疑問に思われそうな事柄を雅楽幸がまとめたものです。浅学ゆえの誤記・誤謬がございましたら識者のご教授をお願いいたします。

三味線のれきし

三味線のルーツは中国の三弦(サンシェン)という蛇皮(ニシキヘビ)を張った三本の絃を持った楽器であると云われています。室町時代前半頃琉球(今の沖縄)に伝わり、いろいろ改良され三線(さんしん)となり、また水牛の角で作った爪を使い様々な奏法も考案され沖縄独自の音楽が生まれ、それが今の三線(さんしん)にまで発展したといわれます。当時の三線は室町時代末期に琉球から堺の港に入り、三線の形状が琵琶に似ていることから、琵琶法師により、更に改良が加えられ、日本本土では入手しにくい蛇皮から猫や犬の皮が使用され、撥で奏する三味線(しゃみせん、さみせん)の原形が誕生しました。

三味線の種類

三味線を区分する要素は色々ありますが、棹の太さで区分けするのが一般的です。太さについて厳密な規格はありませんが、流派、音楽ジャンル、太さを測る位置などによって異なりますので表記のサイズは目安程度です。ここでは棹の上面(天神側:三絃の姿参照)の太さです。棹の太さと演奏される芸能ジャンルを一覧にしましたので、ご参照ください。

太 棹
(ふとざお)
31mm〜40mm
義太夫節(浄瑠璃)
(ぎだゆうぶし)
1684年ごろ、竹本義太夫が大坂道頓堀に竹本座を開設して義太夫節を起こしました。人形浄瑠璃(文楽)、歌舞伎などで使用され、太く、重厚な音色を特徴とします。(語りもの)
津軽三味線 (つがるじゃみせん) 津軽地方の民謡伴奏から発展したもので、弦楽器というより、撥で激しく撥皮を打つ打楽器的要素が強い。

中 棹
(ちゅうざお)
27mm〜30mm

地歌(じうた) 上方で生れた三味線音楽で心情的なしっとりとした情緒を表現します。地歌を伴奏にした舞を地歌舞(上方舞)といい、故・武原はん(文化功労者)の美しく気品のある舞姿は「動く錦絵」と評されました。私(雅楽幸)も初めてテレビではん女(武原はんの俳号)の舞姿を観たとき、どの一こま、どの一瞬を切り取っても“美しい絵だなぁ”と感動したものです。なお生田流箏曲では、地歌用中棹の三絃を使用します。 (歌いもの)
うた澤節
(うたざわぶし)

江戸末期に端唄から派生した三味線小曲。従来の端唄に浄瑠璃の一中節の要素を採り入れ重厚でサビのある音色が特色です。(歌いもの)

常磐津節(浄瑠璃)
(ときわずぶし)
常磐津文字太夫(ときわずもじたゆう)が1747年に豊後節より創設しました。当時全盛期を迎えていた江戸歌舞伎とともに発展した浄瑠璃の一種目、江戸で歌舞伎舞踊の伴奏音楽として演奏され、歌舞伎を母体として発達しました。自然の抑揚を重視した語り口が特徴です。(語りもの)
清元節(浄瑠璃)
(きよもとぶし)
清元延寿太夫(きよもとえんじゅたゆう)が富本節から独立し創設しました。最も新しい浄瑠璃で江戸町人文化の「粋」を反映し「軽妙洒脱」な表現が特徴です。
(語りもの)
新内節(浄瑠璃)
(しんないぶし)
座敷芸として発達し高低2梃の三味線を伴奏楽器として演じます。また「新内流し」といって、語り手が本調子の三味線、三味線方が上調子という2梃の三味線をつかい二人一組で路地を流し歩き、客に呼ばれると座敷や屋外で芸を演じる形式も生れました。(語りもの)
一中節(浄瑠璃)
(いっちゅうぶし)
元禄時代都太夫一中(みやこだゆういっちゅう)が上方で座敷浄瑠璃として創始しました。後に江戸でも流行し、優雅で叙情的な曲風が特徴です。(語りもの)
宮薗節(浄瑠璃)
(みやぞのぶし)
宮古路薗八(みやこじそのはち)が一中節から独立し創始しました。やわらかく、しめやかな曲風が特徴です。 (語りもの)
富本節(浄瑠璃)
(とみもとぶし)
常磐津文字太夫(ときわずもじたゆう)の門弟、富本豊前掾(とみもとぶぜんのじょう)が一派を立てて「富本節」を起こしました。 (語りもの)
細 棹
(ほそざお)
24mm〜26mm
長唄(ながうた) 江戸時代歌舞伎の伴奏音楽として発展しました。浄瑠璃などの語りものではなく唄を中心とした歌いものです。演奏は複数人の唄と三味線で構成され、曲によってはお囃子が入り華やかな演奏になります。山田流箏曲の三味線はこの細棹を使用します。 (歌いもの)
端唄(はうた) 江戸時代後期に庶民の間に流行した三味線小曲。演奏は唄と三味線で構成され、うた澤や小唄にくらべ派手さが少なく自然な奏法が特徴です。(歌いもの)
小唄(こうた)

江戸時代末期に、うた澤同様端唄から誕生した三味線小曲。江戸の「粋」を取入れ、三味線は撥を使わず爪弾(つまびき)で唄に合わせる叙情的な音曲です。芸界の三名人「清元お葉」により江戸小唄が完成したといわれます。 (歌いもの)

荻江節
(おぎえぶし)
初世荻江露友(しょせいおぎえろゆう)が長唄から分かれ創生した三味線音楽。劇場型の演奏からお座敷での演奏が主で繊細な曲調です。(歌いもの)
河東節(浄瑠璃)
(かとうぶし)
江戸時代初期、江戸太夫河東(えどたゆうかとう)により創生され江戸で流行した浄瑠璃。淡白で技巧を嫌う芸風で浄瑠璃ではめずらしく三味線は細棹を使用します。(語りもの)

歌いもの 語りもの

三味線音楽は「歌いもの」と「語りもの」という二つの流れに分類されます。歌いものは上の三味線の種類の項目に記している通り、地歌、長唄に代表されます。もちろん三絃(生田流箏曲・地歌では三味線を三絃(さんげん)といいます)以外の箏曲なども“歌いもの”に入ります。旋律やリズムなどの音楽性に重きをおいたものです。「語りもの」はどちらかというと物語・歌詞などの内容の表現に重点をおいています。義太夫節や常磐津・清元などの浄瑠璃に代表されます。しかし時代の推移とともに、この二つの流れは互いに影響しあい歌いものの中にも語りものの要素が、語りものの中にも歌いものの要素が含まれるようになってきています。

地歌(地唄)

三味線音楽“歌いもの”の一種、江戸時代に盲人音楽家により作曲、伝承され、生田流箏曲と結びつき、主に座敷・家庭音楽として普及しました。歌舞伎などと結びついた劇場音楽の伴奏などの制約がなく、室内楽として純音楽的に繊細で叙情的な美しさをもちつつ芸術的に発展してきました。後年三絃・箏・尺八などと合奏するようなりましたが、本来一人で三絃を弾き歌う:弾き語りが基本です。この地歌を伴奏にして舞うのが地歌舞(上方舞)といわれます。なお生田流箏曲・地唄では三味線のことを三絃(さんげん)といいます。地歌は地唄と表記されることもありますが、近年は地歌と表記することが多いようです。有吉佐和子の小説「断弦」では地唄になっています。
代表的な曲目として 「八千代獅子」、「黒髪」、「ゆき」、「袖の露」、「袖香炉」、「残月」、「越後獅子」、「夕顔」、「茶音頭」、「笹の露」、「ままの川」、「新娘道成寺」、「八重衣」、「夜々の星」、「萩の露」などがあります。

舞と踊りどう違うの

舞、踊り、舞と踊りが合体した舞踊という言葉などいろいろありますが、この似て非なるものどのように違うのか疑問に思ったことはありませんか?地歌や地唄舞をご紹介していきますと、こんな疑問が湧いてきますよね。歴史的には「舞は能の流れをくむ上方舞、座敷音楽で地歌が中心となり、踊りは念仏踊り、阿国歌舞伎(おくにかぶき)をもとに歌舞伎とともに発達した劇場音楽で長唄・常磐津・清元など」のようです。ここでは二つばかりこの問題について論じているサイトのページURLをご紹介いたしますので関心のある方はご覧になってください。 下記 舞の心 -珠玉の言葉集-の中から ほんのさわりの一節を“引用文”としてご紹介させていただきます。詳しくは下記サイトをご覧下さい。

舞と踊りの最も重要な違いは、静止した立ち姿、一つの歩み、その中にこめられた宇宙の密度と大きさです。舞ではそれらの内に、時空を越えた全宇宙の姿を宿そうとします。

FM797番組「京都のやさしい風」
http://blog.goo.ne.jp/kyotonokaze/m/200607
舞の心 -珠玉の言葉集-
http://www.kamigatamaitomonokai.org/mainokkr/mainokkr.html

つぼ・勘どころ

三絃の棹にはギタ−などのようにフレットがありません。したがって音階の音をだすには三本の糸上の音の壷(つぼ)・勘どころと呼ばれるポジションを押さえて音をだすのです。勘どころは棹の乳袋(ちぶくろ)に近い方から勘どころ1、勘どころ2のように胴側に向かって数字で表現します。数字の小さい方が低い音で、開放絃は0になります。初心者のために勘どころの位置番号を印刷したシールなどもありますのでこれを棹の側面に張って練習するのも良いでしょう。

さわりは三絃のいのち

三絃の一の糸(1番太い糸)を開放絃で弾いたときビィーンという倍音を含んだ余韻のある複雑な音が聞こえますが、これををさわりの音といいます。三絃の上駒の下のところを見ますと微妙な凹凸があり、これをさわりの谷、さわりの山いう独特の音響装置です。二の糸、三の糸は上駒の上に乗ってますが一の糸は三絃の棹に直接触れるようになってます。絃が棹に触れる度合いを上手に手動でコントロールすることが大事で、さわりの音の出し方によって、奏者の技量がわかるとさえいわれます(怖いですね!)。三味線の種類によっては東さわりといって、絃が棹に触れる部分をねじ式で上下に移動させコントロールしやすくしたものもあります。

三曲とは

「三曲」とは古くは三種の楽器 三絃(地唄用の三味線)、箏、胡弓とそれぞれの音楽である地歌、箏曲、胡弓楽の総称のことです。江戸時代末期からそこに尺八が参入したので、現在三曲と呼ぶ場合は地唄・箏曲・胡弓楽・尺八楽を総合する名称になります。また「三曲合奏」とはこれらの四種の音楽のうちで、三種の楽器編成で合奏されることを言います。

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